黒井しばは多趣味である。何にでも興味を示す性格だったため、小さいころに親に「なんでなんで攻撃」をして困らせていたらしい。
こればかりは生来仕方のないもので、成犬になっても変わらなかった。世の中が便利になって、今ではインターネットで物事を調べれば、多少なりとも正解に近いものが出てくる時代である。情報の取捨選択は必要なれど、これは「なんでなんでドッグ」だった黒井しばにとっては誠にありがたく、素晴らしいことである。
さて、この生来知りたがりの犬にとっての最近の疑問は何か。宇宙の創造や人間の心理など、そういった大それた疑問はとうの昔に飽きてしまった。今は身近も身近な場所、そこらへんの道端の草にご執心である。
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